【活動報告】水とともに生きるということ 〜山道整備のワークショップに参加!〜
本日は、奥多摩の森にてミナモリプロジェクト(水の流れを学び山みちを整備するワークショップ」に参加してきました!
このワークショップは、単なる登山道整備ではなく、水とともに生きるために、山をどう整えるべきかを学ぶ時間でした。

講師紹介:水のプロから山を見る
講師は、カヌースクールGRAVITY代表の後藤めぐみさん。
フリースタイルカヤック競技の黎明期から第一線で活躍し、世界大会・ワールドカップにも出場、入賞経験を持つパドラーです。

講師の後藤めぐみさん
後藤さんは、川の水の動きを読むことに人一倍長けており、川だけでなく山を流れる水、そして土の中を流れる水にも注目し、フィールドワークを続けてきた方です。
私の前職の奥多摩/青梅消防署との関わりも深く、多摩川川下り事業者組合会長でもあります。組合は有事の際には行政と連携し人命救助を行うこともあり、私が青梅消防署、奥多摩消防署、それぞれ在職時に協定が締結されています。
東京はなぜ西に長いのか 〜多摩川と水源の話〜
今回、非常に印象に残ったのが「東京と多摩川」の話でした。
東京都は東西に長い形をしていますが、その他には理由は多摩川という水源の存在にあります。
今から132年前、多摩地区は神奈川県でした。
それでも東京がこの地域を必要とした理由は、水源として、そして防災の要として、多摩の山々を管理する必要があったからです。

132年よりもっと昔から多摩川を見守ってきたであろう「梅のイヌグス」
山を管理し、植林を行い、水害を減らす。
消防署で長く防災に携わってきた私自身、この成り立ちを深く理解できていなかったことに気づかされました。
水を山に浸み込ませるために必要なこと
後藤さんから教わった、水を浸み込みやすくするための基本は、大きく2つあります。
① 隙間がある状態をつくる
土が締め固められていると、水は一気に流れ出し、下流で増水や災害を引き起こします。
土を柔らかくし、空気と水が通る隙間をつくることが重要です。
② 水のスピードをコントロールする「形」
水をただ流すのではなく、
堰き止め、スピードを落とし、段々に渡していく。
棚田やワサビ田は、その知恵の結晶です。
段差が水の勢いを削ぎ、「押し返し(おしかえし)」を生み、結果として下流の安全につながります。

上流のワサビ田、多摩川支流の沢の最上流に4ヶ所のワサビ田を持っています。
ワサビ田の復興は防災につながる
ワサビ田を復興させることは、単なる農業の話ではありません。
水をゆっくり浸透させ、山に蓄えるという意味で、防災そのものだと感じました。
実際、和歌山県では棚田が残っていた地域では大きな災害が起きなかったという事例もあります。
棚田やワサビ田が、長い時間をかけて水害から土地を守ってきた証拠です。(実際ワサビ田をつくっている人たちは気づいていないと思うけど、、、)
山道整備の実践 〜かまぼこ型と段差〜
実際の山道整備では、道に段差を切り、かまぼこ型に整えていきました。
木段も同じ考え方で、水が道を削らない形をつくります。

削った部分をしっかり直角にすることで水の流れで削られにくくなります。(このあたりはワークショップ参加でより理解が深まります。)
大切なのは、
「足を置く場所」
「安心して足を置かせることができる場所」をつくること。
これは歩きやすさだけでなく、事故防止にも直結します。
午後の作業:しがらみ(柵)づくり
午後は、しがらみ(柵)の作り方を学びました。
しがらみは真っ直ぐ並べないことが重要です。

斜面を階段に、柵(しがらみ)をつくって行く
「水がどこを通るのか」を常に想像しながら配置します。
自然が教えてくれる水の通り道
水の流れは、自然がすでに教えてくれています。
- 井本草(イノモトソウ):水が流れる場所に生える植物
- シダ類:湿り気の多い環境を好む
- ドクダミ:水が集まりやすい場所に生育
- 石がゴロゴロしている場所:水が集中し、流れてきた痕跡

イノモトソウ、この下には水脈が。
これらを読み取ることで、人が無理に水を制御するのではなく、
水の流れに沿って山を整えることができます。
水とともに生きるという選択
山を整えることは、川を守ること。
川を守ることは、街と暮らしを守ること。ささ
ワサビ田の再生、山道整備、防災教育。
これらはすべて別々の話ではなく、一本の線でつながっています。

「水とともに生きるには、何が必要か」。
その答えを、頭ではなく、体で理解できた一日でした。

ワークショップの終わりには参加者で気づきを共有しました。