実績・活動記録

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チームサポート2026.01.30

【活動報告】アウトドアに「セーフティ」という概念を──仙台・デジタス訪問記

昨日、仙台にある通信機器メーカー「デジタス」さんを訪問し、アウトドアフィールドにおける通信と安全について意見交換(という名の営業)を行ってきました。

私がアウトドアの現場で一貫して考えているのは、「アウトドアにセーフティという概念を」当たり前にするということです。

登山、トレイルランニング、練習会や大会。自然の中で遊ぶことが身近になった一方で、「もしもの時」に備える仕組みや意識は、まだ十分に整っているとは言えません。

消防の現場で当たり前だった「通信」というインフラ

その中で、私が特に重要だと感じているのが「通信手段」です。

私自身、24年間の消防人生を振り返ると、あらゆる現場に必ず無線がありました。救急、救助、災害対応。どの場面においても、無線は単なる連絡手段ではなく、状況を共有し、判断を支え、命をつなぐためのインフラでした。

この現場は骨折して動けなくなった要救助者が出た現場。他隊も他の山岳救助現場に出場しており担架での搬送ができなかったので1時間半背負って下山した、キツすぎて活動が終わったあとから足が全く動かなかったのを思い出します。

私自身も、陸上特殊無線技士、航空特殊無線技師といった資格を有しており、無線は極めて身近で、当たり前の存在でした。

左手に要救助者の情報を書いたシートをつけており、ヘリの呼び込みなどとともに状況や行った処置などをヘリの救命士にも伝えている。この現場は道迷いから沢や川を下り脱出不能になったもの。ここは谷底のフラットなスペースでここまで100mほどザイル・エイト環を使い山の斜面を降下してきたところ。無事に救助し、命をつなげることができた思い出深い現場。

一方で、一般の方にとっては「無線=難しい」「免許が必要で煩雑」といったイメージが強く残っています。

しかし、現場に立ってきた人間として強く感じるのは、「困った時に声が聞こえる」という安心感の大きさです。

救助の現場だけでなく、日常のアウトドアへ

この安心感を、救助や災害の現場だけでなく、トレイルランニングの練習会や大会、さらには個人で山に入る場面といった、より身近なアウトドアフィールドに届けたい。

その思いを、今回のデジタスさん訪問では率直にお伝えしました。

まず現実的な第一歩として考えているのが、IP無線の活用です。(一部大会等では使われているが)IP無線は携帯電話網を利用した通信手段で、無線免許が不要。操作もシンプルで、感覚としてはスマートフォンに近いものです。

貸出してもらう機器や将来的に導入していこうと思っている機器。

これは、現在アウトドアの安全装備として普及しているIBUKIやココヘリと同じく、「安全のために持つ通信・発信機」という位置づけに非常に近い(しかしやり取りができるという一方的ではないことに価値がある)と感じています。

現場を起点にした具体的な構想

今回の訪問では、株式会社デジタス様の代表・専務・営業の皆さまと、アウトドア分野における通信の可能性や課題について、かなり踏み込んだ意見交換を行いました。

今後の構想としては、私が展開しているサービスの中で、平日に運用している救急車型の民間救急車両を「移動局」として活用することも視野に入れています。

車両に車載無線を搭載し、各エイドポイントや現場スタッフと常時通信できる体制を構築する。

また、救護の最前線にいる人間にはスマホ型端末を持たせ、本部はその映像や情報をリアルタイムで確認する。

その情報をもとに、救急要請を行うかどうかを判断し、必要に応じて消防本部へ映像や画像を提供する。

現場に医療従事者を過剰に配置しなくても、的確な判断ができる救護モデルを構築していきたいと考えています。

IP無線で広がる新しい安全のかたち

今回お借りするIP無線機で実現できることとして、いくつか具体的な活用イメージも描いています。

  • 当日のプランに基づき、いつでもコーチと連絡が取れるプレミアムコーチングプラン
  • 離れた自宅から位置確認や声で応援ができる家族応援システム
  • 夫婦・友人・チームメンバーでIP無線を持ちながら行動するバディ/グループシステム
  • サポート側が位置を確認しながら補給や支援内容を共有するレースサポートシステム

もちろん、機器を渡すだけで成立するものではありません。使用前には、想定される使用方法や通信ルール、救助要請の方法などを実地でレクチャーしたうえで使用してもらうことを前提としています。

まずは現場で試す

今回の訪問の結果として、無線機3台を協力価格でレンタルさせていただくことが決まりました。来月からは、トレイルランニングの練習会など実際の現場で使用し、運用面や有効性を検証していきます。

どうやって現場に落とし込んでいくかはまず自分がシステムを勉強しないと、、、。

将来的には、車両積載無線やスマートフォン型無線、画像送信を含めた通信活用へと段階的に広げていく予定です。

アウトドアに「セーフティ」という選択肢を

アウトドアに「セーフティ」という選択肢を。

通信を通じて、その土台をひとつずつ、現場から形にしていきたいと思います。