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製品レポート2026.03.13

【Ledlenser 25周年モデル】命を預ける光、使い続けた7年の信頼

自分とレッドレンザー

Ledlenser 25周年モデルを開封しながら思うことを書いてみたい。

自分が旧型のレッドレンザーH8Rを手に取ったのは、2019年のことだった。

あれから7年。週末のトレイルランニング大会でたまに使うような、そんな生易しい付き合い方ではない。年間200件近い山岳救助や救急の現場で、常に命を守るための光として一緒に過ごしてきた。

雨に打たれるのは当たり前。現場で血液が付着して、水で洗い流したことも一度や二度ではない。ヘルメットごと落石を受けたこともあるし、岩壁でロープに吊られながら要救助者を引き上げる場面では、岩肌に激しくこすられて深い傷もついた。電池カバーは壊れタイラップで固定、ヘッド部分も削れ、見た目はもうボロボロだ。

けれど、そのボロボロの姿こそが、自分にとってこのライトを信じる理由そのものだ。

どれだけガリガリに傷ついても、スイッチを押せば点く。しかも、買った時と何ら変わらない感じで点いてくれる。

極限状態では、その「押せば点く」という当たり前が何より大きい。その安心感に、何度助けられてきたかわからない。

今回、企業さまのご厚意で25周年記念モデルをレビューさせてもらえることになり、手元に届いた新品の限定モデルを、使い込んだ旧型H8Rの隣に並べてみた。ピカピカの新しいライトと、傷だらけの旧モデル。見た目はまるで違う。でも、自分の中ではどちらも同じ「信頼できる相棒」だ。

傷だらけの旧モデルが教えてくれたこと

ライトの性能を語るなら、本来は明るさやバッテリーの持ちを並べればいいのかもしれない。けれど、自分にとって本当に大事なのはそこだけではない。

実際の現場で必要なのは、数値以上に「信頼できるかどうか」だ。

真っ暗な山の中で、寒さや雨や緊張の中で、手探りでスイッチを押した時にちゃんと点くこと。そこに迷いがないこと。その確実さは、カタログスペック以上の価値がある。

この旧型H8Rは、何度も削られ、何度も濡れ、それでも応えてきた。だから自分はレッドレンザーというブランドを信じている

しかも今回の25周年モデルのベースになっているH8Rは、公式でも累計出荷数80万本超と打ち出されている定番機だ。自分が長く使ってきた感覚と、市場で支持されてきた実績がきれいにつながった感じがした。

25周年モデルを開けてまず感じたこと

箱を開けてまず感じたのは、25周年限定モデルならではの特別感のある佇まいだった。派手ではないのに、しっかり特別感がある。長く積み重ねてきたブランドの節目にふさわしい雰囲気がある。

今回の25周年モデルは数量限定3モデルとして展開され、ブルーグレイ×ブラックの限定色が象徴的な要素になっている。実際に手に取ると、この色は写真で見る以上に落ち着いていて、いかにも記念モデルらしい。変に派手ではなく、現場の道具として成立したまま特別感がある。

そして驚いたのが、パッケージに記された25年保証という文字だ。

正直、最初は笑ってしまった。25年って、どういう覚悟なんだ、と。

実際には通常2年保証に対して、オンライン製品登録後に25年保証へ延長される仕組みだが、それでもこの数字を打ち出せるのは、製品への自信がなければできない。自分が引退するまで、いやその先まで使っていけと言われているような、そんな強烈なメーカーの意志を感じた。

ドイツ・ゾーリンゲンのものづくりに惹かれる理由

自分はドイツという国が好きだ。

ただ「なんとなく好き」というレベルではない。以前、ドイツに1か月以上滞在して、ひたすらニュルブルクリンクというサーキットを回り続けていたことがある。それくらい、自分はドイツという国の空気、文化、そしてものづくりに強く惹かれている。

「ゾーリンゲン」という言葉を聞くだけで、少し胸が高鳴る。

刃物でも車でもそうだが、ドイツのものづくりには、一つの機能を徹底して磨き上げる強さがあると思っている。見た目だけではなく、使う道具としての本質を追い込んでいく感じがある。

レッドレンザーは、そのドイツ・ゾーリンゲンで生まれたブランドだ。25周年特設ページのコピーにあった「LEDLENSERの25年。革新は、確信へ。」という言葉はかなりしっくりきた。実際、自分が信じてきたのも“新しさ”そのものではなく、使い続けた先で残る“確信”だったからだ。

USB-C化と予備バッテリー付属で、迷う理由がなくなった

今回のH8R 25周年モデルで最も大きい進化は、やはりUSB-C対応だと思う。新旧を比べるとわかりやすい。

特設ページでも、今回の訴求の中心はかなり明確だった。USB-C化、予備バッテリー付属、それでも価格は据え置き。しかもバッテリー本体もUSB-Cでダイレクト充電できる。

これは現場目線でかなり大きい。

世の中には、バッテリーをわざわざ取り外さないと充電できないヘッドライトも少なくない。でもレッドレンザーは以前から本体へ直接ケーブルを挿して充電できた。この流れが、今回ついにUSB-Cへきれいに揃った。

昨年まで私は東京消防庁で山岳救助隊として勤務していた。いきなり出場要請が入っても、充電ケーブルを抜いてそのままヘルメットをかぶればすぐに出られる。このスピード感は、実際に現場へ出る人間にとってかなり大きい。

さらに予備バッテリーが最初から付属しているのもありがたい。トレイルランニングの長丁場の大会、夜通しのナイトセクション、はたまた捜索の長期化。そういう「念のため」が本当に必要になる場面で、この一本余裕があることは想像以上に効く。

H8R 25周年モデルは、完成された定番の正統進化

公式の仕様では、H8R 25周年モデルは約158g、最大600ルーメン、照射距離150m。さらにミドルモードでは250ルーメンで13時間という、かなり現実的で使いやすい数字が並んでいる。

自分がこの数字を見ていいと思うのは、単に明るいからではない。頭に載せて動く道具として、軽さ、持続時間、扱いやすさのバランスがちょうどいいからだ。

現場やレースでは、最大光量を一瞬だけ使えればいいわけではない。実際には、長く使える中間の明るさ、無理なく持てる重量、そしてすぐ充電できることの方が重要になる。その意味でH8Rは、派手なスペック競争よりも「本当に使える落としどころ」を突いてきたモデルだと思う。

しかも付属品として専用充電池が2本、つまり予備バッテリー込みで最初から入っている。この安心感はかなり大きい。

P7R 25周年モデルは、“持ちたくなるハンドライト”だった

P7R 25周年モデルもかなりいい。

公式案内では、約197gのボディに最大2000ルーメン、照射距離320m、最大80時間という数字が並ぶ。しかも最新第四世代をベースに、25周年限定色と予備バッテリー付属で価格据え置き。一本のハンドライトとして見た時の存在感はかなり強い。

もちろん、2000ルーメンを常に使い続けるという意味ではない。こういう数値はモードごとの条件を見て使い分ける前提になる。でも、夜間の捜索や状況確認で必要なのは、いざという時に遠くまで届く光と、手元での確かな操作感だ。

手に持った時のサイズ感、握りやすさ、照射の安心感。夜間の捜索や状況確認では、こういう一本があるだけで動きやすさが変わる。

特にヘッドライトだけでは足りない場面、遠くを照らしたい時、対象物をはっきり見たい時には、ハンドライトの安心感は別物だ。H8Rが「常に身につける相棒」だとすれば、P7Rは「ここ一番で頼れる一本」という感じがある。

自分がいちばん信頼しているのは「放電しにくさ」

自分がこのライトを高く評価している理由は、明るさだけではない。むしろ一番信頼しているのは、放電しにくさかもしれない。

現場に出ない期間が1か月近く空くことは普通にある。休暇の時期もあるし、登山シーズンが落ち着けば少し使わないこともある。そういう時、他メーカーのライトだと、いざ使おうとした時にバッテリーがかなり減っていることがあった。

でも、レッドレンザーは違うのである。なぜかバッテリーが減らない。本当に不思議なくらい減らない。

これは公式ページのコピーではない。自分が7年間使ってきて、現場で積み上がった実感だ。

この「いざという時にしっかり電池が残っている」という信頼は、数値以上に大きい。極限状態で自分の命を守り、助けるべき人の命を照らしてきたのは、この安心感だったと思う。

他メーカーも使ってきた上で、それでもこれを選ぶ理由

これまで他メーカーのライトもいろいろ使ってきた。それぞれ良さはあるし、用途によって向き不向きもある。

それでも、自分が経験してきた深夜の遭難捜索、一刻を争う夜間救助、過酷なトレイルランニングの現場まで含めて考えた時、これを上回る安心感を持ったライトにはまだ出会っていない。

明るいだけでは足りない。軽いだけでも足りない。最後に頼れるのは、「このライトなら大丈夫だ」と思える感覚だと思う。その意味で、レッドレンザーはずっと特別な存在だった。

25周年特設ページには、「職人/プロワーカーへ 作業を、より安全に」「トレイルランナーへ ナイトランを、より確実に」「アウトドア愛好家へ ナイトウォークに、安心感を」という言葉が並んでいる。自分はまさに、その真ん中にいる人間だと思った。仕事でも山でも、光に“安全”を求めてきたからだ。

傷跡ごと信頼している、自分の生涯最高のライト

漆黒の山の中で、光はそのまま安心になる。ときには、恐怖の中にいる誰かにとっての希望にもなる。

傷だらけになった旧モデルを見ていると、ただの道具には思えない。7年間、どんな現場でも一緒に帰ってきてくれた相棒だである、本当にそれに尽きる。

そして、新しく手元に来た25周年モデルには、これから先の時間をまた一緒に歩いてもらいたいと思う。

文句なし。レッドレンザーは自分にとって、現時点で生涯最高のライトである。

今シーズンこそ、実戦の現場と山の中で、また一緒に頼らせてもらおうと思う。


※本記事はLedlenser 25周年記念モデルをご提供いただいた上で執筆していますが、本文中の使用感・評価は、2019年から旧型H8Rを現場で使い続けてきた自分自身の実体験に基づくものです。