【活動報告】TTRC練習会レポート ― 無線を使って走力向上と安全管理の両立を実践へ―
本日はTTRCの山練習会に帯同してきました。
新チームで今回で2回目の山練習。まだ足慣らしの段階ではありますが、
ロードで走力を高める意識を持ちながら、山に入る準備を整えていく重要な練習だと感じます。
先日の降雪の影響も考慮し、前半はヤビツ峠の決まったコースでタイムトライアルを実施するとの事。
冬場は路面状況が読みにくく、山に入るにはリスクが高い場合もあります。
そうした状況を見越して、まずは安全性の高い環境で負荷をかける。
これはTTRCの一貫した考え方でもあり、私自身も同調しています。

タイムトライアルは、先日実施した3000mTTの結果を基準に、
走力別にチームをA・Bの2つに分けて実施するとの報告を受けました。
■ Aチーム:登って疲れた足にさらに負荷をかける
Aチームは走力も山の経験も豊富なメンバーが多く、
雪が少ないであろう南斜面を選択。上りでしっかり負荷をかける構成です。
同じ練習会でも、全員が同じコースを走る必要はありません。
走力・経験・当日のコンディションを総合的に判断し、
適切な負荷とリスクのバランスを取ることが重要かと思います。
この辺りが実業団で経験を積んできた夕子コーチと、
トレーナーとして人体負荷を熟知しているムーチョコーチは
よく考えているチームだと毎回思います。
■ Bチーム:ロードの疲れをトレイルでほぐすイメージ
まだ足慣らし段階であること、そして山に雪が残っている可能性を考慮し、
Bチームは往復約3kmのトレイルへ。
目的は追い込むことではなく、山の感覚を味わうこと。
ロードのスピード刺激を入れた後の「ほぐし」の意味も含んでいるとの事でした。

山に入ると、どうしても気持ちが高揚します。
しかし焦りは事故につながる(特に雪もあるし大人だって気持ちは高まります!)
私は後方サポートに入り、下りは危なくないかなぁなど路面等を観察しながら進みました。
■ 無線運用による安全管理
今回はアウトドアスポーツの安全の意識が高い、デジタスさんからお借りしているモトローラ製無線機を3台導入。
Aチーム、Bチーム、そしてサポートに振り分けて運用しました。

コースが分岐し、物理的距離が大きく離れる状況でも、無線があることで状況共有が瞬時に行えます。
- 現在地
- 進行スピード(今、キロ○分で走れてます、少し遅れていますなど)
- 路面状況(片側斜面で雪があるので注意してー、など)
- 最後尾の位置(今、陸橋を通過しましたなど)
- 装備トラブルの有無(思った以上に暑いので脱衣してます、少し遅れますなど)
これらをリアルタイムで共有できることは、安心感に直結するし、
行動が別チームの状況も把握できることは管理者としては安心です。

サポートのアツ坊も活躍「じけんがはっせいしました」など周囲を混乱させていましたw
サポートカーには押すだけで話せるモデルを、子供でも簡単に使えるくらいだし、
運転しながらでも音声が聞こえるので車を止める必要がありません。
実際にコーチやサポートからは
「走りながらでも簡単に連絡が取れる」「離れていても音声がかなりクリア」
と高評価をいただきました。
一方で
「もう少し軽くなったら嬉しい」「押してから話すまでのタイムラグに慣れが必要」
という声もありました。実運用の中で見える課題は、次の改善にしていきます。
■ 参加者の声
印象的だったのは、参加者の声です。
- 「無線で位置をやりとりしているのが分かると焦らなくていい」
- 「ちゃんと見てもらえている感覚がある」
山での不安は“孤立”から生まれます。
コミュニケーションアイテムとして、私は「声」は文字などより重要なものと考えています。
位置が共有されている、声が聞こえる、それだけで心理的安全性は大きく向上します。

株式会社デジタスさんのご協力も得て、この安全の実装を実施できています。
デジタスさん、ありがとうございます!
http://www.digitas.jp

今回も着替えや装備更新(暑かった!)のタイミングで隊列が大きく離れる場面がありました。
しかし先頭と後方にそれぞれサポートを配置し、
無線で状況を常に共有していたため、問題なく進行することができたと感じます。
■ IBUKIトラブルとバックアップ設計
今回はなぜかIBUKIがログインできないというトラブルが発生し、3台中2台での運用となりました。これはIBUKIあるあるです。
IBUKIは画面などがなく、なんのエラーが起こっているのかわかりづらく、小さくて軽い反面、機器トラブルを把握しにくい時があります。
今回はIBUKIは補助として使い、無線による音声共有があったことで、大きな支障はありませんでした。
安全管理は「一つのシステム」に依存しないことが大切だと改めて実感。
GPS、無線、人的配置。複数の層を重ねることでリスクは分散されます。
とはいえ山の中なので必要以上にたくさんの機器を持ち込むのも難しい…。
という悩みもあります。
■ 今後の展望
活動への協力をしていただいているデジタスさんにはお願いしているのですが、
今後はモトローラのEvolve(携帯型IP無線端末)も投入をしてみたいと思っています。
これにより各無線の位置情報も把握できるようになります。
離れていてもサポートができますので、
トラブルが起きてもわかりやすいサポートを作れると思っています。

- 音声(はもちろんのこと)
- 位置情報(各端末の位置が瞬時にわかる)
- 必要に応じて画像共有(ケガの状況・周囲の状況など)
これらを組み合わせることで、
よりわかりやすいサポート体制を構築していきたいと思います。
私は、山の練習会は「強くなる場所」ではなく(強くなるのは平地でやってください)
「無事に帰る場所」でなければならないと考えています。
怪我やトラブルはゼロとは言い切れません。
しかし、それを“事故”にしない体制を整えることはできる。
日本一安全なチームを作る。
その目標に向けて、走力と安全の両立をこれからも積み重ねていきます。
今回も無事終了!
それが何よりの成果です!!
